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叱るのやめます…若手が怖がり不祥事隠しも [日記]

仕事上で起きるミスへの対処を巡り、新人警察官らに対する教育が、失敗を戒める姿勢から「自分の弱さを認めた上で問題に向き合おう」という方針に変わりつつある。失敗は許されないという考えにとらわれすぎ、ささいなミスを隠して重大な不祥事に至る事案が相次いでいるためだ。

6月下旬、前橋市にある群馬県警警察学校。「仕事の向こうに国民の喜ぶ顔が想像できますか?」。警察庁キャリアが採用されたばかりの約100人に語りかける。講義のために全国を回る講師は「警察活動には失敗がつきもの。人間は弱いものという自覚を持って」と諭すように話した。

 受講した20代の巡査は終了後、「『今の自分は、憧れの職業に就けたときと同じか』という問いかけを常に繰り返すことが大事だと思った」などとリポートに記した。

 こうした講義が広がったきっかけは2月。警察庁が通達で「単なる叱責は職員を萎縮させ、失敗の隠蔽(いんぺい)を誘発するだけ」などとミスの対処の教育を改めるよう求めた。従来の主流は過去の不祥事を題材に再発防止を徹底させるやり方で、警察庁幹部は「真面目にやっている警察官の士気を下げるなどマイナス面が大きかった」と話す。

 「方針転換」の背景には、叱責を恐れるあまり、上司に相談できない若手が増えている実情もある。ある捜査幹部は「積極的になれと言われるが一歩踏み出したら失敗するかもしれない。何よりも叱られるのが怖い」と若手から訴えられたことがあるという。

 今年4月、交通違反の反則切符を偽造したとして書類送検された警視庁の巡査(22)は取り締まったドライバーに署名や押印を拒否され、自分で氏名などを記入していた。巡査は「否認事件は作成書類が増え、面倒くさいと思った」と供述したが、警察庁幹部は「先輩や上司に相談していれば不祥事にはならなかった」とみる。

 現在の警察は1970年代半ばまでに大量採用された警察官の退職期が続き、勤務経験10年未満が約4割。公務員の採用抑制時期にあたるなどしたことから中核を担う40歳前後の層が薄く、若手への教育力が低下しているとの指摘もある。

 講師のひとりの中川正浩・警察庁長官官房参事官は「失敗を恐れぬ若手を育てなければ警察の将来はない。上司も人の弱さに寄り添わなければ」と意識改革を促す
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